医療・介護事業所を守るための

1.ヒアリングシート

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採用後のトラブルを防止する方法　

面接だけでは、入社後のパフォーマンスは分かりません。

しかし、「採用内定」を応募者に出した時点で、企業は大きな責任を負うこととなり、

その後の撤回は簡単にはできません。

そのため、企業としては、「内定を出す前」、また「勤務する直前」に、取得しておくべき書面を取得し、万が一、問題のある従業員を採用してしまった場合に、企業と今いる従業員を守るよう、備える必要があります。

採用面接時に見抜けなかったことによるトラブル

ある介護事業所で、このような相談がありました。

採用面接で、とても感じがよさそうで経験もある方が来てくれたので、「他の事業所にとられたくない」と思った社長は、急いで内定を口頭で伝え、採用をすることにしました。

ところが勤務開始してから、すぐに発覚したことが、実はその方はメンタル不調を患っており、午前中に来れないことが多く、安定した勤務ができない方だったのです。

社長は「なぜ、面接時に健康状態を伝えてくれなかったのか？これでは、本採用はできない」と本人に伝えたところ、本人からは「解雇ということですね」と言い、そのまま来なくなりました。ところが後日、弁護士事務所から『生活の保障として、6ヶ月分の給与120万円を●月●日までに振り込んでください。振り込まなければ、不当解雇として裁判所に訴えます。』という旨の書面が届いてしまいました。

採用面接時にヒアリングシートを取っておくこと

一度採用をしてしまうと、解雇するのは難しく、会社側も訴訟リスクを抱えてしまうことになるため、事前に聞いておくべきことを聞いておき、書面に残しておくことで、採用後のトラブルを防止しておく必要があります。

今回紹介するのは、「採用面接時ヒアリングシート」です。

採用面接の段階で、自らの直筆で記入をしておいてもらいます。

参考が以下になりますが、特に「健康状態」「勤務可能日」等は、しっかりと記入をしておいてもらいましょう。

採用面接時ヒアリングシート（イメージ）

氏　名	印
面接日	令和　　年　　月　　日
希望職種
勤務希望地	通勤時間　　　分　　交通費往復　　　　　円
質　　問　　事　　項		回　　　　　　答
いつから勤務できますか		月　　　日から
勤務可能日（曜日）土日祝祭日の出勤可能か		月・火・水・木・金・土・日土日出勤（月　　回可能）祝祭日出勤（　可　・　不可　）
収入の希望は		月　　　　円以上　　（時給　　　円以上）
現在の健康状態および既往の病歴の有無、通院状況（心療内科も含む）
過去の自動車運転における交通事故歴
賞罰の有無
その他コメント
会社記入欄
面接担当者

採用面接時ヒアリングシートのポイント

「直筆」で書いてもらいます。（ハンコはなくても大丈夫）
病歴については、「入社後の安全配慮義務上、必要なことなので、聴いてもらって構いません。ただし、HIV、B型・C型肝炎等の病歴は、差別に当たる可能性のあることから、ヒアリング禁止とされています。
　『本シートは採用決定の参考にします。申告された内容に虚偽、相違がある場合は採用取消し又は労働条件を見直す場合があります。』の文言があるため、万一、入社後に問題が発覚した場合は、この書面を活用しましょう。