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面接時「相手を見抜く質問」①スキーマにはまらない

①スキーマにはまらない/前職からの見極め 

医療、介護業界では、人手不足が続いており、既に「採用できない」ことが一番の悩み事になっている事業所も多いのではないでしょうか。

常態化するこの採用難の悩みが、「採用の失敗」を生み出すという負のサイクルも見過ごせない課題だと感じています。

実際に、面接だけでは入社後のパフォーマンスは分かりません。一方、「採用内定」を応募者に出した時点で、企業は大きな責任を負うこととなり、その後の撤回は簡単にはできず、また入社後に辞めてもらいたいと思っても基本的には相当の理由がない限り解雇は法律で禁止されています。

「採用の失敗」のダメージは、場合によっては計り知れない大きさになることもあります。

採用面接官として、最低限の「コツ」は、知っておくべきです。

完璧に見抜くことは不可能だけど・・・

結論から言うと、面接だけで、その人を見抜くことはできず、「フェイキング」と言いますが、採用面接では、どんなに経験豊富な人でも、応募者のフェイクを見抜くことはできない、という研究結果も出ています。

とはいえ、なるべく「人罪」となるような人材をはじくことも必要です。

今回は、「面接で人を見抜くポイント」について紹介させて頂きます。もちろん全てが解決できるわけではありませんが、日頃の採用面接活動の中で、少しでも参考になる部分があれば幸いです。

「スキーマ」にはまらないこと

「スキーマ」とは、「人に対する絶対的な思い込み」のことを言います。例えば採用判断の時に、以下のような「思い込み」をしてしまった経験はありませんでしょうか?

「●●の経験が5年ある」     ⇒ 5年も経験していれば●●位の能力があるに違いない!

「●●大学の柔道部の主将を務めた」 ⇒ この人は根性とリーダーシップがある人に違いない!

「●●大学卒業」          ⇒ 覚えが早く、頭がいい人に違いない!

「●●長を10年勤めてきた。」    ⇒ 当社でもリーダーが務まる人に違いない!

「何かの肩書や経歴」で、人は勝手にその人の「思い込み」をする傾向があります。
ある研究結果によると、「平均僅か開始4分」でそのスキーマはできあがり、そのまま面接終了まで続くそうです。

しかし、経験や知識は確かにその人が積み上げてきた大事な能力の一部ですが、それが「当社の仕事」で、どれだけ成果につなげられるかは、別問題です。

大切なことは、その人の経験や能力が「当社で活かせるか?」です。

「過度な期待の思い込み」を無意識に抱く心理が働いてしまいますので、自らにストップをかけてください。

「前職」から見極める

「前職の話」は、その人を見極める上で、最も重要な話題です。(社会人未経験者の場合は、学校やアルバイト経験でも構いません。)

応募者の人柄を見極める上でまず重要なのが、「前職の退職理由」です。しかしここは、大抵の人がある程度説明のつく答えを用意してきています。

そこで「質問の切り込み方」を工夫し、応募者が「何を大切にする人なのか?」を探ってみましょう。

具体的な質問例

例えば、次のような聞き方の方法があります。

『●●さんが入社してくださった場合に、ミスマッチになってしまうとお互いに良くないので、ぜひ色々と聴かせてください。私たちも社員を大事にし、長く働いてもらいたいので、面接で伺う応募者の経験の話は、とても勉強にもなるのです。』

      ↓

そこで前職の「好きだったところ」「嫌だったところ」を、お聞かせください。

このとき、特に嫌だった所について、うなずく、共感する、などし、なるべく多くしゃべってもらいます。面接官として感じてもらいたいのは、「批判の割合や多さ」です。

「自分も力不足のところがあったのですが・・・」など、自責思考のワードが出てくればまずはOK。一方、「会社や上司が悪い」という他責思考の傾向が強そうな人は要注意です。

しゃべっている姿勢や表情から、「どこに勤めても、不満ばかりの人」でないかという視点で、聞き取りをしてみてください。

また「好きだったところ」は、「応募者が望んでいる事」と言えるでしょう。例えば「上司が話しやすい人だった」と回答した人は、自分の話を聴いてくれることを大切にする人、「仕事ぶりを評価してくれた」という人は、自分の働きを評価してくれることを望んでいます。採用後に、その人の「望んでいる事」を知っておくだけでも、入社後の関係作りに役に立つことがあります。

当社への要望もどんどん聞き出そう

同じように、「入社してからの当社への要望」も、なるべく多く聞き出しましょう。

切り出し方の例

例えば、次のような聞き方の方法があります。

『●●さんが入社してくださった場合に、●●さんをがっかりさせないように、今、この場でしっかりと聞いておきたいので、ぜひお聞かせください。』

今しかお話できないことなので、今、話せるだけ話してください。」とお願いすると、単に「ご要望は?」と聴くだけよりも、引き出すことができる情報が増える可能性が上がります。

またこの質問をしたとき、「自分が、自分の要望を通すためにどう配慮するか」という視点がない人は、やや注意が必要です。

例えばですが、「有給休暇はしっかり取りたい」という要望の人であっても、

「有給休暇は取らせて頂きたいのですが、何日くらい前までに希望を出せばご迷惑にならないでしょうか?」というように、職場のことを気遣う気持ちを交えて要望を言ってくる人と、当たり前のように自分の要望しか言わない人と、います。

「要望をされる側」の気遣いができるかできないか、もしできないようであれば、入社後もできない状態で人間関係を悪化させる可能性が高いので、問題がありそうでも採用するのであれば、入社後に「要望の出し方に注意しましょうね」と、教育をしておきましょう。

教えずに現場に出した場合、問題が発生する可能性が高くなります。

 採用面接の場は、「採用後に、この人にはどこを教えておくべきか」を知っておく情報収集の場にも使えます。合否だけでなく、採用後を見据えて、面接をしていきましょう。

それでも採用面接のリスク管理にお困りなら

代表の中山伸雄です。
あなたのお悩みを解決します!​

その他にも、採用面接においては「相手を見抜くための質問」など、様々なノウハウが必要になります。

当事務所では、様々な医療、介護事業所における労務トラブルの防止策の経験がありますので、まずはお気軽に、無料相談サービスをご活用ください。

ご相談内容を通じて、テンプレート等も、無料で提供いたします。

 

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